「英語が話せる」とはどのような英語レベルをイメージするでしょうか?
日常会話ができる、英語で専門的なことを議論するなど、「英語を話せる」に求めるレベルは人それぞれです。
共通して大事なことは、流暢でない英語を人前で話すことは恥ずかしいという思い込みを取り除いて会話を楽しむことです。
今回は、一般的な日常会話レベルから本気でビジネス英語を習得したい人に向けて効果的な勉強法を紹介します。
留学などで長期間海外で暮らさなくても、柔軟な発想力を持ち、単純なトレーニングを行うことで「英語を話せる」目標は達成できます!
「英語を話せる」とは?
まず、「英語を話せる」とはどういうことかを考えてみましょう。
「自分の言いたいことが伝わる」、それとも「ネイティブ並みの流暢さで話すこと」でしょうか。
日本人は後者のように、英語を完璧に話せないと「英語を話せる」と言わない傾向にあります。
一方、外国人が日本で「アリガトウ」「ダイジョウブ」など数語だけ話せる場合に「日本語を話せます」と言うことがあります。
それは、難しい単語は知らなくても、自身の思いを適切な言葉にできればOKと考えるからです。
多くの日本人は、中学レベルの文法・単語をマスターして「英語を話せる」レベルの英語力があるにもかかわらず、「完璧でないから英語ができるとは言えない」と思い込んでいるに過ぎません。
すなわち日本人は「英語を話せる」に求めるハードルが高く、それにより苦手意識を持つ人が多いと言えます。
英語はコミュニケーションのツールの1つ
英語はコミュニケーションツールの1つです。
日本国内は少子高齢化で労働人口が減少していくため、海外からの労働者の流入が増えることは避けられません。
業種を問わず企業のグローバル化が進むと考えられますが、こうした状況において英語というコミュニケーションツールが使えないとマイナスになることは明白です。
これからの時代、英語力は必要最低限のスキルであり、国際社会で必要な人材であり続けるために継続的なレベルアップが必須と言えるでしょう。
「英語が話せる」に必要なのは度胸
英語を話す人は世界で約20億人と言われますが、そのうちネイディブはわずか2割程度です。
多くのノンネイティブが英語を習得しており、英語力は世界中で人間関係を築くために不可欠と言っても過言ではありません。
とはいえ、日本人の中には、例えばTOEICの点数が900点でも英語でのコミュニケーションが苦手と答える人がたくさんいます。
実際には、話す以外の英語力はあるのに、今持っている英語力だけでその場を切り抜ける度胸が足りないのです。
英語が話せないと英語を使う場で発言できず、本音を伝え合うコミュニケーションができません。
そのため多くの日本人はグローバル時代に取り残されているのが現状です。
英語を話せない人の原因
英語で意思が伝わらず悔しい思いをしたことはありませんか。
難しい長文が読める人、また、それなりに聞き取りができる人が「英語を話せる」とは限りません。
英語を話せない原因には、主に以下の3つがあります。
基礎力が不足している
英語を話せない理由の1つ目は、基礎力が不足していることです。
基礎力とは英文法と単語力のことで、この2つの基礎力はリスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの上達において総合的に不可欠な能力です。
会話においては単語を並べれば通じることが多いです。
とはいえ、英語と日本語は語順が違うため、聞く相手にしてみると理解しづらいもの。
社会人であれば文法に基づいた英語を話すことはマナーと言えるでしょう。
瞬発的な英文構築能力が不足している
英語を話せない理由の2つ目は、瞬発的な英文構築能力が不足していることです。
単語や文法をよく理解している人でも「英語を話す」能力だけが劣っていることがあります。
受験勉強などを通じて高難度の英文が読めるのに、簡単な英語フレーズが反射的に口から出てこず困った経験はありませんか。
また、相手の質問は聞き取れるものの、自分が話したいことがスムーズに言えずフラストレーションを抱えることも珍しくないでしょう。
このように、基礎〜中級レベルの単語や文法を理解しているのに「英語を話す」ことが苦手な人は、瞬発的な英文構築能力が不足しています。
それは、インプットに対するアウトプット量が不足していることで起こります。
英文を見ると「なんだこんな簡単な文でいいのか」と思うほどの中学生レベルの基本文型を使いこなせないことで人前で話す自信がなくなってしまいます。
間違いに対する恐怖心が強い
英語を話せない理由の3つ目は、間違いに対する恐怖心が強いことです。
日本人は少なくとも中学校から高校の6年間英語を勉強し、近年では小学5年生から教育課程に英語が加わりました。
こんなに勉強しているのにも関わらず、実際に英語を話せる日本人は全体のわずかであるのは、多くの日本人は英語を話すことに対して「失敗を恐れる」心理が働くからです。
コミュニケーションとして英会話を楽しむよりも、間違いを恐れることで英語に苦手意識を強く持ってしまうのです。
英語が話せるようになる5ステップ
ここからは、英語が話せるようになる5ステップを紹介します。
「英語が話せるようになりたい」理由を明確にする
英語を話せるようになりたい理由を明確にしておくことが、上達の近道です。
理由が漠然としていると、気分の乗らない日が続けば勉強をしなくなり、英語の習得を諦めることにも繋がりかねません。
- 英検、TOEIC、TOEFLで受験や転職に必要な級・点を取りたい。
- 外国人の友人を作って、英語で冗談を言い合いたい。
- 海外で働くのが夢で、英語圏でも困らない英会話レベルが欲しい。
- 海外から来た同僚を英語でサポートしたい。
- 海外旅行先でホテルや買い物のときに英語で苦労したくない。
- 子どもに英語を教えるために、自分の英語力をブラッシュアップしたい。
最短で効率的に英語を話せるようになるには、 「自分はどのレベルまで行きたい」という明確なゴールをあらかじめ設定することが大事です。
そうすれば自ずと具体的な勉強の量や方法が決まるでしょう。
中学レベルの文法・単語をマスターする
「英語を話せる」ようになるには、まずは中学レベルの英語をしっかりマスターすることが重要です。
中学レベルの英語の単語・文法の知識があれば、簡単なニュースの読解、メールの読み書きができ、日常会話ではそれなりに意思疎通を図ることができます。
単語は中学で習う英単語が約1,100語で、これらは日常会話で頻出する超重要単語です。
また、ビジネス会話やTOEICにおいては3,000語で約90%をカバーできると言われています。
社会人ならこの3,000語を第一段階の目標にすると良いでしょう。
そして単に単語の意味を覚えるだけでなく、文脈の中で使えるようにする必要があります。
また、会話中の複雑に見える文も、実際には単純な基本の組み合わせに過ぎません。
中学レベルの単語・文法を自在に使うことができれば、自分の言いたいことがスムーズに表現できるようになるでしょう。
英語リスニング力を強化する
英語を話せるようになるためには、英語リスニング力を強化することも大事です。
リスニング力の強化は、単に聞いて理解できるようになるだけでなく、正しい発音が身につくというメリットもあるからです。
ただし、「英語の音声を流しっぱなしにする」「英語の映画・音楽を聴くだけ」というのは非効率な勉強法です。
聞き流すだけでは、知らない単語は聞き取れず、意味を推測する余裕もないでしょう。
また、知っている英単語でも音が変化したり文字通りに読まれなかったりするため、ただ聞いているだけではリスニング力は向上しません。
会話に結びつく英語リスニング力を強化したいなら、以下の2点を意識してください。
リスニングのコツその1:文の出だしを聞き逃さない
リスニングにおいては、文の出だしを聞き逃さないようにしましょう。
スピードが速く聞き取れないなら、疑問文の場合は5W1Hだけでも聞き取れればおおよその会話の内容は予測できます。
また、英語のリスニングで一番してはいけないことは、英語を聞きながら日本語に訳すことです。
聞いた英語をその都度日本語に訳そうとすると、そこに「意味を考える時間」が必要になり、内容の理解が追いつかなくなってしまうからです。
少なくとも文の出だしの5W1Hや定型表現がわかると、文章を全て聞き取ることができなくても「大体こういうことを言っているだろう」と予測できるでしょう。
リスニングのコツその2:音の繋がり・脱落を覚えておく
リスニングにおいては、音の繋がり・脱落を覚えておくことも重要です。
英会話では、音が繋がって変化する場合もあれば、音が省略される場合があります。
音の繋がりをリエゾン、脱落をリダクションと言います。
たとえば「What are you doing here?」の場合、「ワット・アー・ユー・ドゥーイング・ヒア?」のように区切るのではなく、「ワラユードゥーインヒア?」のように一息でつなげて話します。
ここでWhat areの部分がワラと聞こえるのが、音の変化です。
このように、 単語も表現も知っているけれど音では聞いたことがなかったり、自分の考える発音と違ったりするとリスニングの難易度が上がります。
英語をアウトプットする機会を作る
英語の会話力をつけるには、実際に使ってみることが1番です。
挨拶や自己紹介など、定型文の繰り返しだけではなく、自分の考えを自由に表現できるようになるには経験する以外に方法はないからです。 英語に対して苦手意識を持つに日本人は多いですが、文法を基礎から勉強し、単語や熟語をたくさん詰め込んできた日本人にとって過度な心配は無用です。
会話が不得意なのはアウトプットに慣れていないだけです。
頭の奥の隅にかつて詰め込んだ英語の知識があるはずですから、それを引っ張り出してどんどん活用しましょう。
独り言を英語にする
英語のアウトプットには、英語で独り言を言う方法が有効的です。
英語でつぶやくということは、「自分が言いたいこと」と「自分が実際に言えること」の間にあるギャップを悔しさとして繰り返し実感することに他なりません。
こうした悔しい気持ちを実感しながら、ギャップを埋めたいという気持ちが英語学習への自然なモチベーションとなるはずです。
ただし、アウトプットを独学のみで行えば、間違った英語はそのまま使い続けることも。
ネイティブ等に発音や文法上のミスをチェックをしてもらいながら本当に使える会話力を身につけるとなお良いでしょう。
オンライン英会話を活用する
英語のアウトプットには、オンライン英会話を活用することもおすすめです。
自分が伝わると思っていた英文が思い通りに伝わらないという現実を知ると、自身の英語力の不足に気がつくはずです。
オンライン英会話のレッスンを受ける場合、ひたすら自己紹介を繰り返すだけ、また、教科書を音読するだけなど受動的なレッスンはいくら受けても効果はありません。
仕事で使うプレゼンテーション資料をチェック、英語面接の練習、英文の添削など、自身の目標に応じた内容にカスタマイズすることが大事です。
また、 先生との会話では覚えたての単語やフレーズがあれば積極的に使ってみましょう。
英語を本気で身につけたいなら学習継続が必要
英語の会話力をつけるには、学習の継続は欠かせません。
中学レベルの文法知識と単語量があれば話せるスキルは備わっているとはいえ、毎日コツコツと実践練習を積み上げていくことが大切です。
英語は筋トレに似ていて、勉強に費やした時間の分だけ成果として自分に返ってきます。学ぼうという意欲を持つことに加え、それを持続できる環境を作りましょう。 そして、「伝えたい」という気持ちをいかに強く長く維持できるかで習得スピードに差が出ます。
自分の好きなことと関連付けて学習する
実際に英語を会話のなかで使えるようにするには、自分の好きなことと関連付けて学習すると良いでしょう。
社会人の場合は仕事の関係で、専門性が明確で英語を必要とする状況や用途が限られていることがあります。
その場合は膨大な数の単語や熟語を覚える必要はなく、自分が話したい内容の分野の英語を重点的に勉強すればいいのです。
日常的に使うシーンや興味があることなど、自分の感情を刺激することに関連付けるようにし、勉強タイムが少しでも楽しくなるように工夫しましょう。
文法も発音も完璧を求めすぎないで大丈夫
実際に英語を使った会話では、文法も発音も完璧を求めすぎないことが重要です。
日本人が英語学習に取り組む際、完璧に話せないまま人前で英語を話したら恥ずかしいという思い込みがあり、このことが英語を習得する上で障害になっています。
そのため、実際TOEIC990点・英検一級などを持っている人でも、英語を話すことに苦手意識がある人も多いです。
一方で、同じアジア圏のインド人、フィリピン人、韓国人などは日本人と違い、知っている単語やフレーズだけでどんどん話し、間違っても恥ずかしがりません。
文法や発音などお構いなしに、片言の単語と知っているフレーズを使って会話をしています。
ネイティブでないので、誰しも初めから完璧な英語を話すことなど不可能と考えてるからです。
話さなければいつまでも上達しないし、たくさん間違えなければ上達しません。
英語は「力がついてから」使うのではなく、「力をつけるために」今すぐどんどん使っていきましょう。
まとめ
英語はコミュニケーションツールのひとつであるため、中学レベルの文法・単語をマスターできていれば、あと必要なものは実践練習と度胸だけ。
英語は話さなければ上達しませんし、間違いは会話の中で少しずつ覚え、修正していけば良いのです。
ぜひこの機会に英語力に自信をつけて、人生を楽しむチャンスをグンと広げませんか?