英語を長年勉強していても、なかなか思うように話せるようにならない、自信を持って会話をすることができない、などと英語学習に行き詰まりを感じている英語学習者も少なくないのではないでしょうか?
中学生から英語の授業を受け、大学受験やTOEICなどでも勉強をしてきているのに、いざ話そうとすると言いたいことがすっと英語で出てこない、会話に詰まってしまうのはなぜでしょうか?
そんな行き詰まりを感じている方に試していただきたいのが、「英単語の学習」。
実は「英単語のストック」こそが会話上達への近道になることもあります。
今回は効果的に単語力のストックをしていくためのポイントをいくつかご紹介していきたいと思います。
目次
自分にとって必要な単語を覚える
今更単語力?
と思われるかもしれませんが、実は知っている単語を増やすことで、話題は格段に増えますし、相手の言っていることもスムーズに理解できるようになります。
ただし、「単語力を増やす」といっても、やみくもに増やしていけばいい、というわけではありません。おさえるべきポイントは「自分にとって必要な英単語から覚える」 ことです。そこを見極めて語彙力を鍛えることこそ、会話力向上へと繋がります。
例えば、TOEICや受験などのテスト勉強が目的であれば、テスト範囲の単語を丸暗記をしてしまえばOKですが、実践的な会話やビジネスとなるとそれだと効率がいいとはいえません。
- ビジネス
- 留学
- 日常会話
- 旅行
など、それぞれのカテゴリーで使われる頻出単語は微妙に違ってきます。
ビジネスであれば、丁寧でより専門的な言葉や自分が身を置く業界の用語からストックしていった方が、すぐにビジネス場面で使うことができます。
反対に日常会話であれば、生活にそくした単語のインプットが必要になってきます。もちろん、単語全般を覚えられるのであればそれがベストですが、それをすぐにできる人はなかなかいません。手っ取り早く、自分が使いそうな単語から先に覚えていくのがオススメです。
それは単語だけではなく、言い回しに関しても同じことが言えます。ビジネスであればメールや電話応対などでは決まった切り出し文句があるので、それを先に覚えた方がすぐに実践に結びつきますし、旅行であればホテルや機内などで使うお決まりフレーズから覚えていった方がよりすぐに使えて効率的です。
会話上達において大切なことは、
- 言いたいことが言える
- 相手の言っていることが理解できる
というごくシンプルなことです。
そのためには自分から発信するための単語の引き出しがたくさんある方が断然有利 です。自分が知っておくべき単語が何か?を押さえていくことから始めましょう。
おすすめの単語教材に関してはのちほどご紹介します。
英語は「勉強」ではありません。英語を話して誰かとコミュニケーションをとるためのツールのひとつにすぎません。ツールは使わない限り、役に立ちませんが英会話にもそれが当てはまります。
日本語を特に勉強することなく自然に日本語を覚えていったように、実践的な会話をたくさん積んでいくことで、単語を覚え、実用的な言い回しが身につきます。
また、相手に通じて「コミュニケーションが取れた!」と実感することで、その先のモチベーションにもつながっていきます。
句動詞マスターこそ会話力UPの決め手
ドラマなどを見ていて、ネイティブ同士が話しているのを聞いてもよく理解できないのに、英語字幕を出してみてみると、言っていることがわかるというご経験がある方もかもいらっしゃるかもしれません。英語学習者の多くはこの経験をしたことがあるかもしれませんね。
例えば、アメリカのコメディドラマとして有名なFriendsですが、流してみていると早口も相まって会話を聞き取るのは困難です。でも字幕を出して落ち着いてみてみると、簡単な英単語を使って会話をしている ことがよくわかります。もちろんFriendsだけではなく、ビジネスをテーマにしたドラマなどでも専門用語を除けばそう難しい単語で構成されていないはずです。
ただ、それらの単語は簡単ながらも、意味が掴みきれず「ボヤ〜」っとしたイメージしかできない、という方も多いかもしれません。
その「ボヤ〜」の正体が、句動詞の意味がとりきれていない可能性 があります。
例えば以下の文章を見てください
難しい単語はひとつも使われていません。
でも make upで「埋め合わせをする」という意味ですので、make(作る)の意味だけわかっていても、このフレーズの意味(どうやったら埋め合わせができる?)は理解できません。
英語と日本語の大きな違いは、「動詞」の使い方 にあるかもしれません。英語は基本的に動詞が主役の言語といえます。動詞を100個前後覚えれば、大体の会話はできる と言われています。
しかしただ100個覚えたらそれで終わりではなく、「句動詞」としての意味をしっかり理解していないといけません。「句動詞」と言ってしまうと難しく聞こえるかもしれませんが、会話でよく使う単なる単語の組み合わせのことです。
例えば、
動詞 getに up や on,downといった前置詞をつければ句動詞となり、さまざまな意味を表します。
ネイティブは実によく句動詞を使いますが、膨大なパターンがあるこの単語の組み合わせこそが非ネイティブには実に厄介な存在。。。
でも裏を返せば、句動詞をマスターすることこそが会話力向上に一役も二役も買ってくれます。
句動詞を意識して学習してみる ものおすすめです。
*日向 清人「英語はもっと句動詞で話そう」 (語研)
* 投野由紀夫 「イラストでわかる! ネイティブの句動詞」(アスク出版)
ドラマや映画、オンライン辞書の活用
先ほどもお話ししたように、句動詞のパターンは無数にあるので、実践的に使える表現が知りたいというときは、やはり、ドラマや映画などの生きた英会話からストックするのが一番おすすめです。
- 自分の目的にあったドラマを選ぶ
- 日本語字幕や吹き替えで見て内容を理解する
- ストーリーを理解できたら今度は英語字幕で見てみる
→どんな場面でどんな句動詞が使われているかをつかむことができる
わからない単語の組み合わせがあれば、すぐにメモしてネット検索してしまうのが手っ取り早いでしょう。
オンライン辞書などにも句動詞の用例がたくさん乗っているので、そこで確認するのでもOKです。
音楽好きな人であれば、英語歌詞の曲でも句動詞はたくさん出てきます。曲に合わせて歌詞が出てくるアプリも無料のものから有料のものまであるので活用してみてはいかがでしょうか。
スマホなどに句動詞をどんどん蓄積していって、マイ句動詞辞書など作っておいて、時間があるときにチェックしておくと、「いざ!」というときにすっと引っ張り出すことができるのでおすすめです。
英語を話すとき、「句動詞」を少し意識するだけでも、会話への理解が一気に深まるはずです。
目的にあった教材選びを
英単語を効率よく覚えていくためには英単語帳などの書籍や英語学習教材の活用がおすすめです。ただひと言に「単語帳」と言っても、大学受験やビジネスに特化したものから、読み物感覚のものまで、実にさまざまな種類があります。最近では書籍の他にも、オンラインや携帯アプリと連動したものなど多岐にわたっていますので、自分の目的やレベル、またライフスタイルにあったものを見極めてから選びましょう。
日常会話を鍛えたい!
日常会話における単語力を鍛えたい人におすすめなのは、単語のイメージなどをつかんで覚えていくような本がおすすめです。単語の持つイメージを図解で示したものなどは、感覚的に取り入れやすく、会話などに自然と生かしていくことができます。また、語源から学ぶ単語帳も、一気に語彙力をアップさせるのにおすすめです。
*清水健二、すずきひろし他 「英単語の語源図鑑」(かんき出版)
*大西泰斗・ポール・マクヴェイ「英単語 基本イメージ集中講義」 (NHK出版新書)
*デイビッド・セイン「mini版 学校では教えてくれなかった ネイティブにちゃんと伝わる英単語帳」 (アスコム)
ビジネス英語を鍛えたい!
また、ビジネス目的で英語を学んでいる人には、実際に会話に生かせるように、用例付きのものを選ぶといいでしょう。
AB会話のような実際のやりとりなど、ネイティブがどう使っているかがわかる例文付きのものがおすすめです。
*関谷 英里子「同時通訳者が教える ビジネスパーソンの英単語帳 エッセンシャル」 (ディスカヴァー携書)
*一杉武史「キクタンビジネス(basic/advanced)」アルク
また、英語ニュースなどの時事ネタは、ビジネスのやりとりにおいて社会人として必要な知識を英語で身につけることができますし、またビジネスにおけるアイスブレイク(初対面の人などとのその場を和ませるきっかけの会話)のネタとしても使えるのでおすすめです。
初対面の相手であれば当たり障りのない、世界的情勢などは話しやすいですし、緊張を解くのに役立ちます。
英語でニュースが読める教材
* BBC オンラインニュース(無料) https://www.bbc.com/
*日経LissN(アプリ版)月額600円〜
* The Japan Times Alpha 月額 256円〜
音声は必ずチェック!
また、単語をただみて覚えるだけだと、実際に会話のやりとりで発音がわからないために意味がわからない、なんてことも。
それではせっかく覚えたのにもったいないですよね。
海外とのメールでのやりとりがメイン、など書く英語を鍛えたいならともかく、会話力を向上させたい場合は、必ず音声もあわせてチェックしましょう。音声付きの教材であればそれを存分に活用し、音声がない教材であれば、ネットで確認しましょう。気になる単語を検索窓で打てば、ネイティブ発音が聞けるサービスがたくさん出てくるので、そこでチェックするようにしましょう。
音声が聞けるオンライン辞書
*weblio
https://ejje.weblio.jp/
*Oxford learners dictionaries
まとめ
おすすめの英単語ストック方法、単語帳の選び方、おすすめの単語帳などをご紹介してきました。単語は英語においてのみならず、会話の基礎ですので、おさえておいて損はありません。自分に合った教材や学習法で続けていきましょう。
冒頭でも話した通り、英語はツールのひとつなので、たくさん使うことで磨かれていきます。単語の引き出しが増えれば、相手の言っていることがわかる割合が増えていきますし、自分から振れる話題も格段に増えていきます。
自分の英語が通じた!もっと話したい!というポジティブな感情が生まれると、学習のモチベーション維持に繋がっていきます。
少し英語の学習に行き詰まってしまったら、初心に帰り単語力の向上から始めてみてください。