受験者の英語力によっては「簡単すぎ」と言われることもある英検2級。実際にはどのくらいの合格率・レベルなのでしょうか?
英検2級の合格率とレベルについて、受験者全体の値と高校生のみの値 の2つの観点でまとめました。
記事後半では、英検2級に合格するために必要な勉強方法 について、単語・リスニング・ライティング・リーディング・スピーキングの順番で解説しています。
記事を最後までチェックすれば、英検2級合格に向けて、どのくらいの熱量でどんな勉強をすればいいのか が明確になりますよ。
中学生・高校生・社会人問わず「英検2級を受けてみようかな?」と考えている方はぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
目次
英検2級の合格率とレベルまとめ
英検2級一次試験・二次試験の合格率と、レベルについてまとめました。
英検2級一次試験の合格率は約3割
以前は英検が公式に合格率を公開していたのですが、現在はそのほとんどが非公開 となっています。
現在確認できる英検2級の合格率は、2016年以降の高校生受験者のもののみです。よって今回は、2016年高校生受験者の英検2級合格率を紹介します。
英検は実施回や実施年度によって難易度が変わる試験ではありません。よって、現在の合格率とイコールとして考えていただいて問題ありません。
公益財団法人日本英検協会によると、2016年に英検2級の一次試験に合格した高校生の割合は、34.0% です(出典: 公益財団法人日本英検協会 )。
英検2級受験者全体での合格率は、高校生の合格率34.0%よりも高くなると考えるのが妥当です。実際に全体での合格率は65%程度 だろうと言われています。
英検2級二次試験の合格率は約8割
一次試験と同様に、2016年英検2級の二次試験に合格した高校生の割合は80.4% です。
高校生の合格率よりも受験者全体の合格率の方が高くなることを考えると、英検2級二次試験の合格率は80.4%よりも高い数値になる ことが予想できます。
英検2級の試験に向けて対策をした人の中で一次試験は3割、二次試験は8割の合格率ですので、合格率は決して高いとは言えません。これは高校生にも社会人にも言えることです。
よって、万全の対策が必要となります。
英検2級のレベルは高校卒業レベル
次に英検2級のレベルについて見てみましょう。英検2級のレベルは、高校卒業レベル です。必要な語彙数は約5,000語。
高校生で英検2級を受験する場合は、高校3年生分の学習内容まで先取りして対策する必要があります。
一方社会人で英検3級を受験する方の中には「中学の内容はなんとか覚えられているけど高校の内容は怪しい」と感じている方も多いはずです。そういった方は、忘れてしまっている単元だけで構いませんので、高校英語の学び直しから始めましょう。
ちなみに英検2級の一次試験では84問中55問程度正解できれば、合格 できます(正答率65%)。
英検2級のレベルはTOEICやTOEFLに換算するとどのくらい?
英検以外にも、英語に関する資格はたくさん存在しています。その中でも英検と同じレベルで国内での知名度が高いのがTOEICとTOEFLの2つ。
TOEICは日常英会話やビジネス英語に関する試験で、就活や転職活動の際に役立つ資格です。一方TOEFLは海外留学の際に提出を求められる資格です。
英検2級のレベルは高校卒業レベルであるとお伝えしましたが、TOEICやTOEFLのスコアに換算するとどのくらいになるのか、見てみましょう。
英検2級のレベルをTOEICに換算
TOEICは990点満点の試験で、英検のように級分けされておらず、受験者全員が同じ問題を解く試験です。
英検2級合格者の英語レベルをTOEICに換算すると、550点程度 であると想定できます。TOEICの平均点は毎回600点前後ですので、TOEIC550点は平均に少し届かないレベルです。
TOEICは就活に役立つ資格とお伝えしましたが、就活に役立つのは最低でもTOEIC600点からです。英検2級に合格してしまえば、あと少しの努力で、就活で活用できるレベルのTOEICスコアを獲得できますよ。
筆者の実体験ですが、大学入学直後に何の対策もせずにTOEICを受けて、550点前後のスコアを取得している、高校時代から英語が好きだった友人が周りに数名いました。
英検2級=高校卒業レベル=TOEIC550点レベル と考えて、間違いはないでしょう。
英検2級のレベルをTOEFLに換算
TOEFLは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションでそれぞれ30点満点、合計120点満点の試験です。
英検2級をTOEFLスコアに換算すると42〜45点程度。 仕事や学校、趣味などの範囲で関心のある話題について対応でき、筋の通った簡単な文章を作ることができるレベルです。
せっかく英語を学ぶのなら、最終的には英検以外の英語資格試験にもチャレンジしたいところ。「他の資格試験だとこのくらいのレベルにいるんだ」と常に意識しながら英検を受験すると良いですよ。
英検2級に合格するための学習の流れ
英検2級の合格率やレベルが分かったら、次は英検2級の対策についての知識を深めましょう。
英検対策は、学習の順番が大切です。 簡単な単元から学習をして、難しい単元を最後に残しておくのは、資格試験の鉄則です。その方が効率的にスコアアップを目指せるので、合格が近づきます。
英検2級に合格するための学習の流れは以下の通りです。
- 単語
- リスニング・ライティング
- リーディング
- スピーキング
それぞれ詳しくみていきましょう。
①単語
単語は英語の土台となるので、英検で最も優先的に学習すべき です。単語が分からなければ、文章も読めませんし英語を聞き取ることもできません。
前述の通り、英検2級に必要な英単語は約5,000語。英検準2級に必要な英単語が約3,600語なので、追加で約1,400単語覚える 必要があります。
英検2級用の英単語帳を1冊購入し、とことん使い込みましょう。単語帳は旺文社の「 英検2級 でる順パス単 5訂版 」がおすすめです。
単語を覚える際は、1単語ずつ丁寧に覚えるのではなく、1日にできるだけ多くの単語に目を通す ようにしてください。なぜなら1つずつ丁寧に覚えると、全ての単語を1通り学び終えた頃には、序盤で学んだ単語のほとんどを忘れてしまうからです。
最低でも1日に100単語には目を通したいところ。それでも単語の学習時間は1日に30分もかからないはずです。
②リスニング・ライティング
単語を7割程度覚えたら、次はリスニングとライティングの対策に移りましょう。
リスニングは英検の中でも比較的スコアを取りやすい単元だと言われています。ディクテーションやシャドーイングで対策しましょう。
ディクテーションとは:英語音声を文字に書き起こす勉強方法。どの英語が聞き取れてどの英語が聞き取れていないのかがピンポイントで分かる。 聞き取れない英語が分かったら、そこを繰り返し聞いたり、なぜ聞き取れないのかを考えたりするとよし。
シャドーイングとは:英語音声の後をついていくように英語を発音する勉強方法。ナレーターが読む英語のスピード感に慣れることができ、リスニング力アップに繋がる。 日本人に不足しがちな英語を発話する機会を増やせるので、二次試験のスピーキング対策にもなる。
リスニング教材は旺文社の「 英検2級リスニング問題120 (英検分野別ターゲット) 」がおすすめです。
ライティングはスペルミスをしないことと、型通りに文章を作成することが大切 です。合っているか不安な単語はできるだけ使用せず、可能であれば確実に合っている他の単語に言い換えましょう。
英検2級では、与えられたトピックに対する意見と理由2つを80〜100語程度で記述します。何度もライティング問題を解いて「意見→理由1→理由2→結論」の順番を体に染み込ませましょう。
ライティング教材は旺文社の「 英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題 」がおすすめです。
③リーディング
リーディングは、英検一次試験の難関単元です。特に長文は、事前にきちんと対策しておかないと、試験時間内に最後まで解き終えることすらできません。
長文を時間内に読むためには、精読をせずに内容を掴む速読力が大切 です。リーディング、長文対策には旺文社の「 英検2級 長文読解問題150 」がおすすめです。
④スピーキング
二次試験のスピーキング(面接)では、以下5つの項目が評価されます。
- 応答内容
- 発音
- 語彙
- 文法
- 積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲や態度(アティチュード)
スピーキング対策では、家族や先生、友人などに協力してもらい模擬面接を繰り返し行う ことが重要です。また自身が英語で受け答えする様子を録音して、きちんと言えているか確認 しましょう。
スピーキング対策には旺文社の「 10日でできる! 英検2級 二次試験・面接 完全予想問題 改訂版 」がおすすめです。二次試験の予想問題10回分が、動画付きで収録されています。
まとめ
英検2級の合格率やレベル、学習の流れについて解説しました。
英検2級の合格率は、一次試験が6割程度、二次試験が8割以上 です。高校生の場合一次試験の合格率は3割程度となります。
英検2級を取得すれば、高校卒業レベルの英語力を有していることの証明ができます。
まず最初に取り組むべきは単語学習。早速本日から英検2級対策を開始しましょう。